ガウシアンスプラッティングとは?
ガウシアンスプラッティング(Gaussian Splatting)は、3Dシーンを表現する最新の技術です。2023年に登場し、従来のNeRF(Neural Radiance Fields)などの手法と比較して、より高速で高品質な3D再構築と描画を可能にしました。
この技術の特徴は、3Dシーンを「ガウス分布」という数学的関数の集合体として表現する点にあります。これにより、複雑な3Dシーンをリアルタイムで描画することが可能になりました。
図1:ガウシアンスプラッティングの概念図
仕組みをわかりやすく解説
1. 基本的な考え方:点ではなく「ぼやけた球体」
従来の3D表現では、シーンを「点」の集まりとして表現することが多かったですが、ガウシアンスプラッティングでは「ぼやけた球体(ガウス分布)」の集まりとして表現します。
図2:点とガウス分布の違い
2. ガウス分布とは?
ガウス分布(正規分布)は、中心からの距離に応じて値が減少していく「釣り鐘型」の分布です。数学的には以下の特性を持ちます:
- 中心に近いほど値が大きい
- 中心から離れるほど値が小さくなる
- 完全にゼロになることはない(無限に広がる)
図3:3Dガウス分布のイメージ
3. 3Dシーンの表現方法
ガウシアンスプラッティングでは、3Dシーンを以下のような特性を持つガウス分布の集合で表現します:
- 位置(Position): 3D空間上の中心位置(x, y, z)
- 大きさと形(Scale): 3方向への広がり具合
- 向き(Rotation): ガウス分布の回転角度
- 色(Color): RGB値と透明度
- 密度(Density): どれくらい「濃い」か
これらのパラメータを持つガウス分布を数千〜数百万個配置することで、複雑な3Dシーンを表現します。